【葬祭業者向け補助金情報】省力化投資補助金(カタログ型)

― 人手不足の現場を“仕組み”で支える。葬儀社の省力化投資とは ―
目次
はじめに:現場を止めないための「省力化投資」
近年、葬儀業界では人手不足と長時間労働が深刻化しています。
特に夜間搬送、式場設営、返礼品管理などは、限られたスタッフで回しているケースが多く、
「もう1人いれば…」「もっと効率よくできないか」と感じる場面も少なくないでしょう。
そんな中で注目されているのが、**省力化投資補助金(カタログ型)**です。
2025年は補助金全体の予算が拡大し、
人手不足を解消する設備・機器導入に最大200万円が支援されます。
しかも「置き換え更新」もOK。つまり「古い設備を新しくするだけ」でも対象になるのです。
省力化投資補助金(カタログ型)の概要
この補助金は、国が認定した“カタログ製品”の中から選ぶだけで申請できる制度です。
複雑な事業計画書は不要で、初めてでも挑戦しやすいのが特徴です。
区分 | 補助率 | 上限金額 | 対象 |
---|---|---|---|
カタログ型(小規模事業者) | 1/2 | 200万円 | 省人化・自動化・効率化設備の導入 |
- 申請方式:随時受付(予算が続く限り受付)
- 複数回申請可:上限額までなら2回・3回と申請可能
- 交付決定前の購入NG
葬儀社での活用事例
① 式場・ロビーの「デジタルサイネージ化」
式場案内や開式情報を手書きで差し替える作業を電子表示パネルに置き換え。
スタッフの手間を減らすだけでなく、告別式の雰囲気を損なわない柔らかなデザイン表示も可能に。
受付や控室案内を自動表示にすることで、1式場あたり約1時間の作業削減が実現します。
② 館内通信・無線設備の更新
老朽化したインカムや館内放送システムを新型ワイヤレス機器に変更。
夜間対応中でも指示伝達がスムーズになり、
「もう一度確認します」が減少。
特に夜間搬送や安置対応時の連携精度向上が期待できます。
③ 空調・照明などの省エネ設備更新
電気代の高騰で、葬儀社でも施設のエネルギー効率改善が求められています。
LED照明や高効率エアコンへの更新は、経費削減+快適な式場環境の両立が可能。
冷暖房の稼働率が高い葬儀会館では、年間数十万円単位の節約も。
④ 作業負荷を軽減する設備導入
搬送・安置作業に使うストレッチャーや冷却装置の電動化も対象。
スタッフの腰痛防止、事故リスク軽減など安全面の改善効果も大きいです。
申請・運用のポイント
- 最新カタログを必ず確認(毎月追加あり)
- 「老朽更新もOK」が他補助金との最大の違い
- 同一法人で複数式場を持つ場合、施設ごとに分けて申請することも可能
- 交付決定後の購入必須(納品済み機器は対象外)
- 導入後は**導入効果報告(簡易アンケート程度)**が必要
まとめ:葬儀現場を止めないための“省力化投資”
スタッフの「人手不足」を、根性ではなく仕組みで補う時代です。
省力化投資補助金は、難しい計画書もなく、導入しやすい制度。
老朽化した機器の更新や、省エネ・安全性向上を考えている葬儀社にこそ最適です。
「忙しいからこそ申請できる」――そんな補助金です。