葬儀社経営コラム

葬儀社経営コラム第67号

電話対応で変わる、その後の売上とは

葬祭業において、電話対応は非常に重要な顧客接点の一つです。お客様が初めて葬儀社と接触するのが電話であることが多く、この第一印象がその後の売上に大きな影響を与えます。特に、突然大切な方を亡くしたばかりのお客様は、深い悲しみや混乱の中で葬儀の準備を進める必要があるため、電話対応における心遣いが欠かせません。今回は、葬祭業における電話対応の重要性と、その後の売上にどのように影響を与えるかについて解説します。

 

1. 顔の見えない相手に安心感を与える
電話対応では、相手の顔が見えないため、声だけで信頼関係を築くことが求められます。特に、葬儀の相談をするお客様は、突然の事態に直面してパニック状態に陥っている場合が多く、そのような状況下で適切な対応を行うことで、安心感を与えることができます。

 

落ち着いた口調:お客様が混乱している場合、スタッフの落ち着いた声や丁寧な言葉遣いは、お客様の不安を和らげる効果があります。急いで話すのではなく、ゆっくりと、相手に理解してもらえるように言葉を選ぶことが大切です。
聞く姿勢を重視:お客様の話をしっかりと聞き、状況や要望を把握することも重要です。早急に案内や提案をするのではなく、まずはお客様が感じていることを丁寧に受け止める姿勢が、信頼関係の構築につながります。

 

2. パニックになっているお客様への対応
大切な方を亡くした直後のお客様は、深い悲しみの中で精神的に不安定な状態です。このような状況で適切なサポートを提供することが、後々の信頼関係に大きな影響を与えます。

 

共感を示す:お客様が何を感じ、何に困っているのかを理解し、共感の姿勢を示すことで、心のケアをすることができます。「ご不安なお気持ちはよくわかります」「私どもでできる限りサポートいたします」など、感情に寄り添った言葉をかけることで、お客様に安心感を与えられます。
次にすべきことをシンプルに伝える:葬儀の準備は多岐にわたりますが、パニック状態のお客様に一度に多くの情報を伝えると、かえって混乱させてしまうことがあります。まずは次に何をすればよいか、具体的かつシンプルに案内することがポイントです。

 

3. 電話対応が売上に直結する理由
葬儀業界における電話対応の質は、直接的に売上に影響を与える要因の一つです。なぜなら、電話での対応が好印象であれば、お客様はそのまま依頼を決定することが多いからです。反対に、電話対応で不快な思いをした場合、その場で他社に連絡してしまう可能性も高くなります。

 

迅速かつ的確な対応:お客様がすぐに対応を求めている場合、迅速に対応することで信頼を得ることができます。また、的確な情報を提供することで、安心して依頼を任せられるという印象を持ってもらえます。
フォローアップの重要性:一度電話で相談したお客様に対しては、後日のフォローアップも重要です。「その後いかがでしょうか」「お困りの点があればいつでもご相談ください」といった一言を添えることで、お客様とのつながりを強化し、再度依頼を受ける可能性が高まります。

 

4. 電話対応の改善で得られる長期的な効果
電話対応を改善することで、短期的な売上増加だけでなく、長期的な信頼関係の構築にもつながります。葬儀は一度の利用が基本ですが、信頼できる対応をした葬儀社は、家族や友人に紹介されることが増え、口コミによる新規顧客の獲得にもつながります。

 

結論として、葬祭業において電話対応は、単なる情報提供の手段ではなく、顧客との信頼関係を築く重要なポイントです。顔の見えない相手に対しても丁寧な対応を心がけることで、安心感を与え、結果として売上の向上にもつながるでしょう。