葬儀社経営コラム

葬儀社経営コラム第60号

経費見直しの成功事例:葬儀社のリアルケーススタディ

近年、葬儀業界は少子高齢化や価値観の変化により、葬儀の規模や形式が多様化し、収益の変動が大きくなっています。そのため、経費の見直しや効率化が急務となっています。今回は、実際の葬儀社で成功を収めた経費見直しの事例を紹介し、どのようにしてコスト削減に成功したかを解説します。

 
事例1:外注業務の内製化によるコスト削減

ある地方の中規模葬儀社では、葬儀に関連する業務の多くを外注していました。遺影写真の加工や、祭壇の花飾り、さらに一部の遺体搬送業務などが外注されていたため、外注コストが大きな負担となっていました。しかし、この葬儀社は外注先に依頼していた作業の一部を社内で対応するように方針を変更しました。
 
例えば、遺影写真の加工や印刷は、デザインソフトを導入して社内で対応するようにした結果、年間で約30%のコスト削減を実現しました。さらに、葬儀の花飾りに関しても、一部を自社で手配・準備することで、毎月の経費を大幅に圧縮しました。このように外注業務の一部を内製化することで、柔軟かつコスト効果の高い運営を可能にしたのです。
 
事例2:ITツールの導入による運営効率化

別の大都市にある葬儀社では、紙ベースの業務が多く、人件費や管理コストがかさんでいました。特に、顧客管理や予約管理、請求業務に関しては手作業で行われていたため、ミスや重複作業が発生しやすく、結果的にコストが増大していました。
 
そこで、この葬儀社では、顧客管理システム(CRM)や請求管理システムを導入し、全てのプロセスをデジタル化しました。これにより、業務の重複やミスが大幅に減少し、事務作業にかかる時間を半分以下に短縮することに成功しました。また、人件費の削減にもつながり、結果として年間約20%の経費削減を達成しました。
 
事例3:エネルギーコストの削減

最後に、ある中規模の葬儀社では、斎場や会館の光熱費が大きな負担となっていました。そこで、この葬儀社はエネルギー効率の高い設備へと更新し、エネルギー管理システムを導入しました。太陽光発電システムの導入により、自家発電での電力供給を行い、光熱費の約15%を削減。また、LED照明への切り替えや、断熱性能の向上も行い、トータルで光熱費を30%削減することに成功しました。
 
経費見直しのポイント

経費削減は単にコストを削るだけでなく、業務効率化や価値の向上にもつながります。今回紹介した事例は、各社の特性に合わせたアプローチで成功しています。葬儀社も、外注業務の見直し、ITツールの導入、エネルギーコストの削減など、できるところから改善を図ることで、健全な経営を目指すことができるでしょう。