事前相談(生前契約)を増やすための営業トーク設計

はじめに:事前相談は「売り込み」ではなく「安心の提供」である

「生前に葬儀の相談をしておきませんか」という言葉に、抵抗を感じる方は少なくありません。遺族側だけでなく、葬儀社のスタッフ自身も「お金目当てと思われないか」と腰が引けてしまうケースがあります。

しかし、事前相談の本質は「売り込み」ではありません。いざというときに慌てず、後悔のない選択ができるよう、事前に情報と選択肢を整えておくことです。この認識がスタッフ全員に浸透していることが、事前相談を増やすための大前提となります。

本記事では、事前相談件数を着実に増やすための営業トーク設計を、具体的なステップで解説します。


なぜ事前相談が経営上重要なのか

事前相談(生前契約・事前登録)に力を入れることは、単なる「先行受注」以上の経営的メリットをもたらします。

  • 受注の安定化:急な依頼が来ても対応しやすく、繁忙期の平準化につながる
  • 価格競争からの離脱:事前に関係性ができている顧客は、比較サイトを経由せず直接依頼してくれる
  • 口コミ・紹介の起点になる:「相談に行ったら親切だった」という体験が家族・知人への紹介につながる
  • スタッフのやりがいが高まる:急場の対応だけでなく、じっくり関係を築く仕事が増える

事前相談を増やすことは、葬儀社の経営基盤そのものを強くする取り組みです。


事前相談を増やす営業トーク設計:3つのステップ

ステップ1:「入口」を広げる──相談のきっかけを複数用意する

事前相談が増えない最大の理由は、「相談しようと思っても、きっかけがない」ことです。葬儀社に自ら電話をかけるのは、多くの人にとってハードルが高い行動です。

そのため、相談の入口を日常の延長線上に置くことが重要です。具体的には以下のような接点が有効です。

  • 終活セミナー・無料相談会への参加(来場=相談への心理的ハードルが下がる)
  • ホームページの「無料相談フォーム」や「資料請求」ページの充実
  • 地域のポスティングチラシに「まず話を聞くだけでもOK」と明記する
  • 既存顧客への年賀状・季節の挨拶状に相談窓口を記載する

「売り込まれる」ではなく「聞いてもらえる」という印象を先に作ることが、入口を広げる鍵です。

ステップ2:「初回対応」で信頼を作る──最初の30分が全てを決める

事前相談に来た方が「来てよかった」と感じるかどうかは、初回対応の質で決まります。ここで失敗すると、どれだけ良い葬儀プランを提案しても契約には至りません。

初回対応で意識すべきポイントは以下の3点です。

  • 最初の10分は「聞く」に徹する:家族構成、今の状況、不安に思っていること。まず相手の話を引き出す。提案はその後。
  • 料金の話は相手が聞いてきてから:こちらから先に金額を出すと「やはり売り込みか」という印象を与えやすい
  • 「今日決めなくていい」を明言する:「ゆっくり考えていただいて大丈夫です」という一言が、逆に信頼感を高める

初回相談の目標は「契約を取ること」ではなく、「また来たい・相談したいと思ってもらうこと」です。この認識をスタッフ全員で共有することが重要です。

ステップ3:「フォロー」で関係を維持する──来なくなった人を忘れない

事前相談に来たものの、その後音沙汰がなくなる方は少なくありません。多くの葬儀社はここで関係が途切れてしまいます。しかし、相談に来た時点で「関心がある人」であることは確かです。継続的な接点を保つことで、いざというときに選ばれる可能性が大きく高まります。

フォローの具体的な方法として以下が効果的です。

  • 相談から1週間後に「お役に立てることがあればご連絡ください」という手紙やハガキを送る
  • 季節ごと(お盆・年末など)に近況伺いのご挨拶状を送る
  • 新しいセミナーや無料相談会の案内を定期的に届ける
  • ニュースレターやブログ更新のお知らせをメールで送る

フォローは「追いかける」のではなく「存在を思い出してもらう」ためのものです。押しつけがましくならないよう、有益な情報提供を軸に置くことがポイントです。


スタッフへの落とし込み:トークスクリプトの整備

営業トークの質は、担当者個人の「センス」に任せていては安定しません。前回の記事でも触れた仕組み化の観点から、事前相談対応のトークスクリプト(台本)を整備することを強くお勧めします

スクリプトに盛り込むべき主な要素は以下の通りです。

  • 受付・来店時の第一声と案内の流れ
  • ヒアリング時の質問リスト(家族構成・希望する葬儀のイメージ・不安に思っていることなど)
  • よくある質問と回答例(費用・宗教・流れなど)
  • クロージングではなく「次の接点」につなぐ締めの言葉

スクリプトはあくまで「骨格」です。読み上げるためのものではなく、どのスタッフが対応しても最低限の質が保たれるための道標として活用してください。


まとめ:事前相談は「関係づくり」の入口である

事前相談件数を増やすために必要なのは、強引な営業トークではありません。入口を広げ、初回で信頼を作り、フォローで関係を維持するという一連の流れを仕組みとして整えることです。

そしてその根底にあるのは、「この葬儀社に相談してよかった」と感じてもらえる対応の質です。事前相談は、単なる先行受注の手段ではなく、地域に根ざした葬儀社としての信頼を積み上げていくプロセスそのものです。

当社では、WEBページからの事前相談の仕組み構築・実際に現場を担当するスタッフ研修について、ご相談を承っております。まずはお気軽にご相談ください。

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