現場で即戦力を育てる!葬儀社におけるOJT活用術と成功のポイント

少子高齢化が進み、地域密着型サービスの質がますます重視されるなか、葬儀社における人材育成は急務です。とくに現場での経験を通じて「即戦力」を育てるOJT(On-the-Job Training)は、葬儀業界ならではの実践性とスピード感が求められます。
しかし、「先輩の背中を見て覚える」だけのやり方では、新人が育たないばかりか、早期離職にもつながりかねません。本記事では、葬儀社ならではのOJTを効果的に機能させるためのポイントと、成果につながる取り組みをご紹介します。
なぜ葬儀社においてOJTが重要なのか?
葬儀の仕事は、マニュアルでは教えきれない「人間対応力」と「状況判断力」が欠かせません。
遺族への心配りや臨機応変な判断は、机上の勉強では身につかず、現場での体験を通じて初めて養われます。
さらに、喪主対応・式場準備・関係各所との連携など、多岐にわたる業務に早い段階から触れることは、新人が一人前になる近道となります。
よくあるOJTの失敗例
- フォロー不足になりがち
少人数体制の葬儀社では、先輩が業務に追われ、新人の指導が後回しになりがちです。 - 「見て覚える」に頼りすぎ
経験豊富なスタッフほど「言わなくてもわかるだろう」と考えがちですが、新人は「何がわからないのかもわからない」状態です。 - 指導のバラつき
教える人によってやり方が異なると、新人が混乱し、社内文化の浸透も妨げられます。
成功するOJTのポイント
- 育成担当者を明確にする
「この1か月は◯◯が担当」「式場業務は△△が指導」といった形で役割をはっきりさせることが第一歩です。 - “やらせる”OJTを取り入れる
見学ではなく、実際に手を動かす経験を意図的に設けましょう。- 司会進行の補助として原稿を読む練習
- 焼香案内のロールプレイ
- 事前相談のシミュレーション
- 進捗を見える化する
OJTチェックリストや週報で「今どこまでできているか」「次の課題は何か」を共有しましょう。 - 失敗を責めない文化づくり
新人が萎縮して挑戦できなくなるのは成長の妨げです。ミスを責めるのではなく、原因と改善策を一緒に考える姿勢が重要です。
OJTを社内文化として根づかせる方法
単発的な教育で終わらせず、OJTを社内の文化として定着させることで、離職率の低下と人材力強化につながります。
- OJT担当者への教育
教え方を学ぶ研修や勉強会を定期的に実施する。 - 新人との定期面談
月1回の1on1面談で不安や課題を拾い上げる。 - 評価制度に反映
OJT指導を評価項目に入れることで、指導の意義を明確にする。
まとめ:人材育成は企業成長の土台
葬儀業は“人”がすべて。新人が安心して現場経験を積み、着実に成長できる環境づくりこそ、長期的に選ばれる葬儀社になるための基盤です。
「OJTは当たり前」と思わず、改めて仕組みを整えることが、人が辞めない会社・選ばれる会社への第一歩となります。