葬儀社経営コラム第142号
第一印象がすべてを左右する――葬儀社スタッフの身だしなみチェックポイント

葬儀は人生の節目となる大切な儀式。そんな特別な場面に立ち会う葬儀社スタッフには、故人とご遺族への深い敬意と誠意ある対応が求められます。その想いを形にするのが、「身だしなみ」です。
第一印象は数秒で決まると言われており、髪型や服装、表情、姿勢といった見た目から受ける印象が、そのまま会社全体の信頼感に直結します。今回は、葬儀社スタッフとして心がけたい身だしなみの基本と、制服を含めたチェックポイントを詳しくご紹介します。
目次
身だしなみは「寄り添う姿勢」の表れ
葬儀の場は、ご遺族にとって深い悲しみの中にある大切な時間。そこで接するスタッフの佇まいが、安心や信頼を生むきっかけとなります。
清潔感のある服装や控えめな態度は、ご遺族の気持ちに寄り添おうとする「心構え」を形にしたもの。見た目を整えることは単なるマナーではなく、気持ちを表す“非言語のメッセージ”でもあるのです。
スタッフの身だしなみチェックポイント
以下は、日々の業務の中で気をつけたいポイントです。社内での共有にも活用できます。
髪型
◆男性:短髪が基本。前髪は目にかからないよう清潔感を重視
◆女性:髪は束ね、顔周りがすっきり見えるスタイルを
◆髪色:黒〜自然な茶色が望ましく、派手なカラーは避ける
服装・制服
◆黒のスーツスタイルが基本。白シャツ+黒または紺系のネクタイ
◆制服はサイズや着こなしもチェック。着崩れに注意
◆女性はスカートでもパンツでもOKだが、丈やシルエットに配慮を
※近年では、落ち着きと機能性を兼ね備えた新しい制服への切り替えを進める葬儀社も増えています。
靴・足元
◆黒の革靴。汚れや擦れがないか日々確認を
◆女性は低めのヒール、ストッキング着用が基本
メイク・香り
◆メイクはナチュラルに。濃いメイクやラメは控える
◆香水は極力使わず、使う場合もほのかに香る程度に
爪・手元
◆短く清潔に保つ。ネイルは基本控えるか、自然な色で
◆名刺交換や書類対応時など、意外と見られているポイント
制服は“企業の顔”である
制服は単なる業務着ではなく、その会社のブランドイメージを象徴するもの。落ち着いた色合いと品のあるデザイン、そして機能性を兼ね備えた制服は、現場での信頼感を生み、社員の一体感も高めてくれます。
制服見直しのポイント
◆色:黒・ネイビー・チャコールグレーなど落ち着いた色合い
◆素材:動きやすく、しわになりにくい上質な生地
◆機能:ポケットの配置、季節対応なども考慮
社内でできる身だしなみ向上の取り組み
社員一人ひとりが常に適切な身だしなみを意識できるよう、次のような社内施策を導入することが効果的です。
◆チェックリストの配布:出勤前に確認できる簡易チェックシートを配布
◆定期研修の実施:新人研修に加え、定期的なマナー研修を行う
◆相互フィードバックの文化:上司や先輩が日常的に気づきを伝え合う風土づくり
見た目の印象が「信頼」へとつながる
いかに優れた設備やサービスを提供していても、最初に接するスタッフの印象が悪ければ、その魅力は伝わりません。
特に葬儀の場では、ご遺族の心が非常に繊細になっているため、ちょっとした違和感が不信感につながることもあります。だからこそ、丁寧で誠実な印象を、見た目からもしっかり届けることが重要です。
まとめ:身だしなみは最高の「非言語コミュニケーション」
身だしなみの整ったスタッフは、それだけで信頼感を生み出し、「この人になら任せられる」と思っていただける存在になります。
服装や髪型を整えることは、単なるマナーの話ではなく、ご遺族への敬意と安心感を伝えるための大切なツール。定期的に制服や社内ルールを見直しながら、企業全体の品格を高めていきましょう。