「デジタル遺品」整理支援、はじめませんか?

~スマホ1台に詰まった“人生の記録”に寄り添う~
スマートフォンやパソコン、クラウドストレージやSNS――
いまや私たちの大切な情報や思い出の多くが「デジタル」の中に残される時代となりました。
それに伴い、近年注目を集めているのが「デジタル遺品の整理」です。
実は葬儀後、ご遺族から
「スマホの中の写真は残せる?」「SNSアカウントはどうすれば…」
といったご相談をいただく機会が増えてきました。
しかし実際には、どこに相談すればよいのか分からない、誰に頼めばいいのか不安――
そんな声も少なくありません。
今回は、いま注目の【デジタル遺品整理支援サービス】について、
葬儀社だからこそできるサポートのあり方をご紹介します。
目次
■ そもそも「デジタル遺品」とは?
「デジタル遺品」とは、故人が生前に使っていたスマートフォンやパソコン、SNSアカウント、ネット銀行など、デジタル上に残された個人情報や記録のことを指します。
たとえば──
- スマホに保存された写真・動画・メモ
- InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などのSNS
- GmailやYahoo!メールのアカウント
- ネットバンキングや暗号資産(仮想通貨)
- AmazonなどのECサイトのアカウントや履歴
- 有料アプリやサブスクリプション契約(Netflixなど)
これらはすべて、放置しておくと「契約の継続」「情報漏洩」「第三者による不正アクセス」など、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
■ なぜ、いま葬儀社が関わるべきなのか?
これまでの「遺品整理」といえば、形のあるモノ――アルバムや衣服、家具などが中心でした。
しかし、現代は違います。
スマートフォン1台に、何百枚もの写真、何十件もの契約、何年分ものやり取りが詰まっているのです。
とはいえ、ご遺族がすべてを把握・整理するのは難しいもの。
どこに相談すればいいのか分からず困ってしまう方が多いのが現状です。
そんなとき、もっとも信頼を寄せられている「葬儀社」が最初の相談窓口になることは、ご遺族にとって大きな安心につながります。
■ デジタル遺品整理サービス、立ち上げのステップ
① どこまで対応するかを決める
最初から完璧を目指す必要はありません。
以下のように、段階的にサービスを設計するのがおすすめです。
- 【無料相談のみ】…概要説明+専門業者を紹介
- 【連携型サポート】…信頼できるパートナー企業を紹介し、紹介料を得る
- 【簡易対応型】…スマホやPCの確認を自社で行う
- 【本格対応型】…法務・IT専門家と連携し、解約やデータ復旧なども実施
まずは「相談窓口」としての立ち位置から始めることで、無理なく運用できます。
② 専門家との連携がカギ
デジタル遺品の扱いには、法律やプライバシー、IT知識が必要です。
信頼できる以下のような専門家とネットワークを築きましょう。
- デジタル遺品整理士
- 弁護士・司法書士
- IT業者(スマホロック解除、アカウント削除など)
- 終活カウンセラー、FPなど
※個人情報保護の観点から、委任状や契約書の整備も必須です。
③ プランと料金の設定
提供内容に応じて、以下のようなパッケージを設定できます。
- 【無料】初回30分の相談
- 【10,000円~】スマホやPCの簡易確認+パートナー紹介
- 【別途見積】本格対応(アカウント整理・契約解約など)
「ここまでは対応可」「ここからは外部と連携」と明確にしておくと、トラブルを防げます。
■ 伝え方・広め方も大切です
サービスの価値をきちんと伝えるために、こんな言葉を使ってみてはいかがでしょうか?
- 「“写真だけでも取り出したい”というお気持ちに寄り添います」
- 「“デジタル遺品”は、新しい時代の遺品整理です」
ホームページやパンフレット、終活セミナー、LINE公式なども活用し、相談のきっかけをつくりましょう。
■ 将来的な展望と注意点
今後は、「生前のデジタル整理」も含めた終活支援サービスへの拡張も見込まれます。
また、AIやクラウドとの連携による新たなサービス展開も可能です。
ただし、情報漏洩や誤操作などリスクもあるため、
- 専門知識の習得
- プライバシー管理の徹底
- 遺族の心情への十分な配慮
が大切です。
■ 最後に──デジタルの中にも「想い」がある
スマートフォンに残る写真、SNSの言葉、クラウド上の記録。
それらは、故人の人生を映す大切な“デジタルの思い出”です。
手に取れないからこそ、丁寧に扱いたい。
それを支えるのが、私たち葬儀社の新しい役割かもしれません。
「デジタル遺品整理」という、新しい終活のかたち。
ぜひ、これからのサービス展開の参考にしてみてください。