葬儀社経営コラム第137号
情報を“仕入れる力”が、事業の未来をつくる

~セミナーや専門誌でトレンドを掴み、家族葬の進化に対応する~
目の前の業務に追われていると、つい「外の情報」を取りに行く時間を後回しにしてしまいがちです。しかし、事業の成長や改善には“変化を感じ取る感度”が欠かせません。そこで重要になるのが、定期的な情報収集の習慣化です。
セミナーや勉強会は「リアルな声」が聞ける場
最近の業界トレンドや顧客のニーズを知る手段として、リアルまたはオンラインで開催されるセミナーや勉強会は非常に有効です。講師やパネリストによる実践的な事例紹介、参加者同士の交流から得られる“生の情報”は、ネット検索では得られない価値があります。
特に家族葬については、「小規模化」だけでなく「こだわり化」が進んでいる点に注目する必要があります。たとえば、
◆少人数でも思い出を形にする演出を取り入れる葬儀
◆宗教色を抑えた「お別れ会」形式の家族葬
◆家族だけでなく親しい友人も参加できる新しいスタイル
といった、従来の枠にとらわれない家族葬が増えてきています。これらの動向を掴むためにも、最新のセミナーや事例共有の場は欠かせません。
専門雑誌は「整理された知見」の宝庫
一方で、専門誌や業界紙には、一定の編集視点でまとめられた情報が掲載されているため、全体の傾向や今後の方向性を把握するのに最適です。
近年の特集では、
◆「コロナ禍以降も家族葬ニーズが定着」
◆「会場設計やサービス内容に新たな工夫が求められている」
といった分析も多く見られます。
こうした情報に定期的に触れることで、「自社の家族葬のあり方をどう進化させるか」を考えるヒントが得られます。
情報収集を「業務の一部」にする
重要なのは、こうした情報収集を**“時間があったらやる”のではなく、“業務の一部”として習慣化する**こと。たとえば、
◆毎月1回はセミナーに参加する
◆毎週1つは業界誌の記事を読む
◆チームで「気づき共有ミーティング」を設ける
など、小さなアクションを継続することで、組織全体の“情報感度”が自然と高まっていきます。
情報を「見た」で終わらせない
最後に大切なのは、得た情報を“自社でどう活かすか”を考える視点です。
例えば、セミナーで紹介された事例の中から、自社の規模や地域性に合ったサービスをカスタマイズして導入する。
家族葬の進化を知った上で、**「小さくても、温かく、記憶に残る葬儀」**を提案できる力を育む。
こうした意識が、差別化されたサービスづくりにつながります。
おわりに
「情報を取りに行く」ことは、変化の激しい時代において、事業を止めない・進化させるための“当たり前の習慣”です。特に家族葬のようにニーズが日々多様化する領域では、新しい発見が、次の挑戦の種になります。
ぜひ、意識的に情報に触れ、事業に活かしてみてはいかがでしょうか。