葬儀社経営コラム第123号
会員制度の“解約防止策”とは?継続率を上げるポイント

葬祭業における会員制度は、事前相談や将来的な利用につながる重要な接点です。しかし、「入会したけれどそのままフェードアウト」「会員証を紛失して解約に…」といったケースも少なくありません。今回は、そうした“解約”を防ぎ、継続的に関係性を築いていくためのポイントをご紹介します。
定期的な接点づくりがカギ
会員になった直後は関心が高いものの、時間が経つにつれて気持ちは薄れていきます。そのため、定期的なニュースレターやDM、LINE配信などで“存在を思い出してもらう”ことが大切です。特に、命日が近づいた時期や誕生日など、パーソナライズされた配信は効果的です。
「会員特典」を“見える化”する
割引やサービス特典があるにもかかわらず、活用されずに終わっている会員制度も少なくありません。特典内容を具体的に紹介し、「こんな時に使える」「どれくらいお得になる」などを、シミュレーション形式で伝えると実感しやすくなります。
「解約される理由」を可視化しておく
解約があった際は、可能な範囲で理由をヒアリングし、分析しましょう。「住所変更を機に」「家族と意見が分かれた」「制度の内容がわかりにくかった」など、リアルな声には改善のヒントが詰まっています。
会員限定イベントで関係性を育てる
例えば、終活セミナーや法要相談会など、会員限定イベントを開催することで、“自分が大切にされている”という実感を持っていただけます。こうした関係性の構築が、継続率の向上につながります。
解約手続きの前に「ワンクッション」
解約を希望された際、即時手続きではなく「ご継続にあたってのご案内」「他のプランのご提案」など、もう一度検討していただく機会を設けることで、引き止めが成功するケースもあります。ただし、しつこくならないように、丁寧な配慮が必要です。
まとめ
会員制度は「登録してもらって終わり」ではなく、「継続して思い出してもらい、つながり続ける仕組み」が重要です。葬儀という一度限りのサービスだからこそ、会員制度をうまく活用し、“継続的な関係”を築くことが、信頼と成果の両立につながります。