葬儀社経営コラム

葬儀社経営コラム第120号

葬儀社のチラシが集客につながらない理由とその改善策

チラシが反応を得られない主な理由

(1)ターゲット設定が曖昧

「とりあえず地域全体に配る」という発想では、誰にも響かない内容になりがちです。高齢者やその家族、事前相談に関心のある層など、届けたい相手を明確にする必要があります。

(2)メッセージがぼんやりしている

「安心のサポート」「地域密着」などの抽象的な言葉ばかりでは、印象に残りません。「どんな人に、どんな時に、どう役立つのか」が伝わる具体的なメッセージが求められます。

(3)デザインが古く、見づらい

文字ばかりで読みづらい、色使いが暗い、写真が少ない…など、視覚的に魅力のないチラシは手に取られにくく、目を通しても記憶に残りません。

(4)行動を促す導線が弱い

「お電話ください」「ご相談ください」だけでは、読者の背中を押すには不十分です。明確なキャンペーンや、問い合わせしやすい仕掛け(例:無料小冊子プレゼント、個別相談予約ページなど)が必要です。


集客につながるチラシに改善するためのポイント

(1)目的とターゲットを明確に

例えば「事前相談を増やしたい」なら、60代以上の方やその家族に向けた内容に絞りましょう。ターゲット像を設定すると、言葉やデザインも自然と整います。

(2)具体的な悩みに寄り添う内容に

「何を準備すればいいの?」「費用はどれくらい?」など、読者が抱える“リアルな不安”を解決する情報を中心に構成します。「こんな方はご相談ください」と条件を挙げるのも有効です。

(3)視覚的にわかりやすく

写真やイラストを使いながら、目を引くデザインにしましょう。スタッフ紹介や葬儀事例の写真があると、安心感や親近感にもつながります。

(4)「すぐできること」を提示する

たとえば、「無料の事前相談パンフレットをプレゼント中!」「このチラシをご持参で特典あり」など、行動を後押しする導線づくりがカギです。


チラシの反応率の目安と考え方

実際にチラシを配布してどの程度反応があるか、気になる方も多いと思います。一般的には、1,000枚配布して1〜3件程度の反応があるとされています(反応率0.1〜0.3%)。

【チラシ反応率の目安】

配布枚数反応率0.1%反応率0.3%
1,000枚1人3人
10,000枚10人30人

ただし、葬祭業のように「今すぐ必要ない」と思われがちなサービスの場合、短期的な反応よりも、長期的に“記憶に残ること”が大切です。つまり、「今すぐ問い合わせ」にならなくても、「いざという時に思い出してもらえるチラシ」を目指す必要があります。


チラシ+Webで相乗効果を

近年では、チラシにQRコードをつけてホームページやLINEに誘導する手法も主流です。紙のメディアだけで完結せず、Webとの連携を考えることで、集客効率は格段に高まります。


まとめ

チラシは、単なる広告ではなく「信頼のきっかけづくりの道具」です。届けたい人に、届けたい思いが伝われば、反応は確実に変わります。「なんとなく配る」から「戦略的に届ける」へ。チラシの見直しから、集客の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。