葬儀社経営コラム

葬儀社経営コラム第119号

「もしもの時」に選ばれるために…

会員制度の重要性と成功事例

「葬儀は突然やってくるもの」。そう理解していても、いざという時に慌てずに準備できている人はそう多くありません。
そんな中、事前に信頼関係を築き、「もしもの時」に選ばれるための手段として注目されているのが会員制度です。今回は、会員制度がなぜ重要なのか、そして実際に成果をあげている成功事例をご紹介します。

会員制度の3つのメリット

事前相談につながりやすい

会員登録の際に、自然な流れで事前相談を促せるのが大きな利点です。
これにより、「その時が来てから探す」のではなく、「安心して任せられる会社」として先に選ばれる存在になれます。

価格面での安心を提供できる

「会員価格」で割引や特典を設けることで、お客様は経済的な安心感を得ることができます。
また、事前に費用の目安を伝えられるため、トラブルや不安の軽減にもつながります。

長期的な関係構築が可能

会員とのつながりは、終活セミナーやニュースレター、イベント参加などを通じて定期的に関係を育てることが可能です。
これにより、「その時が来た時に最初に思い出してもらえる存在」になります。

成功事例1:地域密着型の小規模葬儀社A社(関東地方)

A社では、月1回の終活セミナーを通じて会員登録を促進。セミナー参加者の7割以上が会員登録し、登録後1年以内の葬儀依頼率は50%以上を記録。
また、会員向けの「生前ノート」を無料配布し、家族間の情報共有をサポートすることで、信頼感を高めています。


成功事例2:地方都市の中堅葬儀社B社(中部地方)

B社は、地域新聞に折込チラシを出し、「資料請求+会員登録でギフト進呈」というキャンペーンを実施。反響率は3.2%と高く、登録会員数は半年で1,000名を突破。
会員限定イベント(人形供養祭や健康セミナーなど)を通じて、ファン化に成功しています。


会員制度を成功させるためのポイント

  • 登録のハードルを下げる:無料登録・特典付きで気軽に始められる仕組みづくりが重要
  • 情報発信を継続する:会報誌やLINEなどで定期的な接触を維持
  • 特典は「安心」と「実用性」を意識:割引だけでなく、資料や相談サービスなど“心の備え”につながる内容が効果的


まとめ:「選ばれる理由」は事前に作れる

会員制度は、単なる囲い込みの仕組みではありません。
「もしもの時」に備えた安心感を提供し、信頼関係を構築するプロセスそのものです。
今後ますます競争が激化する葬祭業界において、「備えている人」に選ばれるための準備として、会員制度の見直し・強化を進めてみてはいかがでしょうか。