葬儀社経営コラム第116号
葬儀社のM&Aはなぜ増えている?市場動向と今後の展望

目次
はじめに
近年、葬儀業界におけるM&A(企業の合併・買収)が活発になっています。特に地方の中小葬儀社が大手企業や同業他社に買収されるケースが増えており、この流れは今後も続くと考えられます。本コラムでは、葬儀社のM&Aが増えている背景と市場動向、そして今後の展望について解説します。
葬儀社のM&Aが増えている背景
業界の高齢化と後継者不足
葬儀業界では、創業者や経営者の高齢化が進んでおり、事業の引き継ぎが課題となっています。しかし、後継者となるべき子供世代が葬儀業界を継ぎたがらないケースが多く、事業継続が困難な葬儀社が増えています。そのため、廃業するよりもM&Aによって他社に譲渡する動きが加速しています。
市場の縮小と競争の激化
少子高齢化の影響で、葬儀の件数自体は増えているものの、1件あたりの葬儀単価は下落傾向にあります。特に「家族葬」の需要が増え、従来の大規模な葬儀の需要が減少したことが影響しています。また、新規参入企業の増加やオンラインサービスの台頭により、競争が激化し、単独での経営が厳しくなる葬儀社が増えています。
大手企業によるシェア拡大
大手葬儀会社は、地域ごとの市場シェアを拡大するために積極的にM&Aを進めています。特に、地域に根付いた中小葬儀社を買収することで、地元の顧客基盤を活かしながら、全国展開を進める動きが目立ちます。
現在の市場動向
M&Aの事例
近年、上場企業や大手葬儀社によるM&Aの事例が増えています。例えば、大手葬儀社が地方の葬儀社を買収し、ブランドを統一することで業務効率を向上させるケースや、異業種の企業が葬儀業界に参入する目的でM&Aを行う事例もあります。
M&Aのメリットと課題
メリット:
- 売り手企業にとっては、廃業を回避し、従業員の雇用を維持できる
- 買い手企業にとっては、地元の顧客基盤を活かした事業拡大が可能
- 事業規模の拡大により、仕入れコスト削減や運営効率の向上が期待できる
課題:
- 経営方針の違いによる統合の難しさ
- 既存顧客との関係維持の課題
- M&A後の組織再編や人員調整
今後の展望
M&Aの加速
今後も葬儀業界のM&Aは加速すると予想されます。特に、経営者の高齢化が進む中で、後継者不足に悩む葬儀社は増える一方です。そのため、M&Aは事業継続の選択肢としてさらに一般的になるでしょう。
地域密着型葬儀社の戦略
大手企業によるM&Aが進む中で、地域密着型の中小葬儀社は、差別化戦略が求められます。具体的には、地域の文化やニーズに特化したサービスの提供や、オンラインマーケティングの活用による顧客獲得が重要になります。
新たなビジネスモデルの模索
今後、M&Aを通じて新しいビジネスモデルが登場する可能性があります。例えば、葬儀だけでなく、遺品整理や終活サービスを包括的に提供する企業が増えるかもしれません。また、テクノロジーを活用したオンライン葬儀やDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入する動きも加速するでしょう。
まとめ
葬儀業界におけるM&Aの増加は、業界の高齢化・後継者不足・市場縮小といった背景によるものです。今後もM&Aは続くと予想されますが、一方で地域密着型の葬儀社が独自の強みを活かしながら生き残る道もあります。M&Aの動向を理解し、自社の将来戦略を考えることが重要です。