葬儀社経営コラム

葬儀社経営コラム第71号

廃棄物管理の見直しで実現する環境保護とコスト削減

葬祭業界では、多くの物資が使用されるため、廃棄物の管理は避けて通れない課題です。例えば、式の準備や進行に必要な備品や装飾、会葬者への配布物、使い捨て用品など、さまざまな廃棄物が発生します。しかし、廃棄物管理を見直すことで、環境保護に貢献しながらコスト削減を実現することができます。以下では、その具体的な取り組みと効果について紹介します。

 

1. 廃棄物の分別とリサイクルの促進
廃棄物を適切に分別することは、リサイクル率を向上させ、廃棄コストを削減する最も基本的なステップです。プラスチック、紙、金属など、再利用可能な資材を分別することで、廃棄物処理費用を抑えることが可能です。また、地域のリサイクル業者と提携することで、廃棄物の再利用率を高め、環境への負担を軽減できます。例えば、紙製品のリサイクルを促進するため、葬儀で使用されるプログラムやパンフレットの印刷に再生紙を使用することも一つの手段です。

 

2. 再利用可能なアイテムの活用
使い捨て品の使用を減らし、再利用可能な備品や装飾品を導入することで、廃棄物の削減につながります。たとえば、使い捨ての祭壇用装飾品ではなく、繰り返し使用可能な装飾品や花器を採用することで、資源の無駄を減らせます。また、会葬者に配布するおしぼりやカトラリーも、洗浄して再利用できるものに変更することで、使い捨て品のコスト削減が期待できます。

 

3. エネルギー消費の削減
葬儀の準備や進行には、多くのエネルギーが使用されます。例えば、式場の照明、空調設備、または調理機器などがそれに該当します。これらのエネルギー消費を効率化することで、環境負荷を軽減し、コスト削減にもつながります。省エネ型のLED照明の導入や、空調設備の適切な管理によって、エネルギー使用を最適化し、月々の電気代を削減することが可能です。さらに、式の進行中に必要ない照明を消灯するなど、細かな対策でも大きな効果が期待できます。

 

4. 環境に配慮したサプライヤーとの協力
エコフレンドリーな製品を提供するサプライヤーとの協力関係を築くことで、環境保護とコスト削減の両立が可能です。例えば、式場で使用する消耗品や装飾品を、環境に優しい素材で作られたものに切り替えると、長期的なコストメリットも得られます。さらに、グリーンな企業と提携することで、社会的責任を果たしつつ、葬儀社のイメージ向上にもつながるでしょう。

 

まとめ
廃棄物管理の見直しは、単なるコスト削減の手段ではなく、環境保護への重要な貢献でもあります。分別の徹底、再利用可能なアイテムの導入、エネルギー消費の削減、エコサプライヤーとの協力などを進めることで、持続可能なビジネスモデルを構築し、社会に貢献できる葬儀社としてのブランド力を高めることができます。これらの取り組みは、環境への配慮だけでなく、結果的にはコスト削減という形で利益にもつながります。