社員の心に火を灯す!葬儀社でエンゲージメントを高める方法とは
「採用してもすぐ辞めてしまう」
「現場の空気が重く、モチベーションが上がらない」
こうした課題を抱える葬儀社は少なくありません。
そこで近年、企業がこぞって注目しているキーワードが 「エンゲージメント(Engagement)」 です。
エンゲージメントとは、
社員が会社にどれだけ信頼・愛着を持ち、“自分も貢献したい”と感じているかを示す指標。
単なる「満足度」ではなく、
“この会社のために頑張りたい”と思えるかどうか を測る概念です。
葬儀という「人の心に寄り添う」仕事を支えるのは、やはり“人”。
だからこそ、エンゲージメント向上は離職防止・顧客満足・サービス品質向上に直結します。
目次
■ なぜ葬儀社にエンゲージメントが必要なのか
葬儀業界は、感情労働・不規則勤務・夜間対応などストレスの掛かりやすい仕事です。
また若手世代は「給与」以上に 働きがい・やりがい・職場環境 を重視する傾向が高まっています。
エンゲージメントが低い状態を放置すると…
- 指示待ちで動き、現場の士気が下がる
- 離職率が上がり、人手不足が慢性化
- 結果としてサービス品質が低下し、クレームや顧客離れに発展
反対に、エンゲージメントの高い職場では…
- スタッフが主体的に考え、改善提案が生まれる
- 困っている同僚を自然に助け合う文化が根づく
- 顧客満足度が上がり、口コミ・紹介が増える
つまりエンゲージメント向上は
「採用」「定着」「顧客満足」「売上」──すべてに効く“経営戦略” なのです。
■ エンゲージメントを高める3つの経営視点
① 理念の共有から始める
葬儀社において最も大切なのは、
“なぜこの仕事をしているのか”を言語化し、共有すること。
スタッフが「利益のため」ではなく
“誰かのために”という使命感 を持てるかどうかは、エンゲージメントの土台になります。
朝礼や定例会で、
- ご遺族から頂いた言葉
- 心に残った葬儀のエピソード
- 社員の行動に感じた価値
といった“想いの共有”を続けると、仕事の意味が深く実感できます。
理念の浸透はスローガンではなく“対話”で行うもの。
経営層の想いが、現場の「自分ごと」に落とし込まれて初めて力を発揮します。
② 承認と感謝の文化を根づかせる
エンゲージメントを押し上げる最も強力な要素が、
日常的な承認(Recognition) です。
葬儀社の仕事はチームプレー。
成功の裏には必ず誰かの支えがあります。
- 搬送を手伝ってくれた
- 式場準備を素早く整えてくれた
- 夜遅くまでフォローしてくれた
こうした小さな貢献こそ、“見える化”して伝えることが大切です。
▼「ありがとう」を日常化する仕組み例
- 朝礼で「感謝の一言」タイム
- LINE・週報で「ありがとうカード」投稿
- 社内表彰に「縁の下の力持ち賞」を設置
人は “認められた経験” が次の行動の原動力になります。
努力が見える職場ほど、社員は誇りを持てるのです。
③ 成長を実感できる仕組みをつくる
葬儀業は専門性が高く、経験とともにスキルが急激に伸びます。
しかし本人に“成長実感”がないと、モチベーションは下がります。
そこで効果的なのが「見える成長」。
- キャリアステップ表(主任・リーダー・副所長…)
- 定期面談(評価ではなく振り返り・次の目標設定)
- 外部研修・資格支援(葬祭ディレクター・接遇研修など)
努力が可視化され、会社から期待されていることが分かると、
「この会社で頑張りたい」という気持ちは自然と強まります。
■ エンゲージメントは“顧客満足”にも表れる
エンゲージメントの高い社員は、顧客対応でも自然と違いが出ます。
- ご遺族に寄り添った丁寧な声掛け
- 会場設営での細やかな気配り
- 式後のフォローに表れる思いやり
こうした積み重ねは、ご遺族の安心につながり、
口コミや紹介の増加にも直結します。
社員の働きがいや前向きな姿勢は、サービス品質そのもの。
現場の対応のレベルが、葬儀社のブランド力をつくっていきます。
■ まとめ:エンゲージメントは「経営指標」である
エンゲージメントは単なる“やる気の問題”ではありません。
経営者と社員の信頼関係の強さを示す“経営指標”です。
人材確保が難しい今こそ、
- 辞めない会社
- 誇れる会社
- 応援される会社
こうした企業文化づくりが求められています。
その第一歩が、
社員の心に火を灯す「エンゲージメント経営」 なのです。


