葬儀社経営コラム

葬儀社経営コラム第132号

定期的な面談が離職率低下につながる理由

~人が辞めない葬儀社の職場づくり~

葬儀業界では、スタッフ一人ひとりの対応力がサービス品質に直結します。にもかかわらず、「人が定着しない」「新人がすぐ辞めてしまう」といった悩みを抱える葬儀社は少なくありません。

そのような中で、定期的な面談が注目されています。ただの形式的な人事面談ではなく、「現場で働くスタッフの本音を引き出す場」として機能させることで、離職防止に大きな効果を発揮します。


離職のサインは、表に出にくい

多くの場合、スタッフが離職を考え始める時点では、外からは分かりづらいものです。
「最近元気がないな」「ちょっと表情が暗いかも」と感じたときには、すでに心が離れ始めている可能性があります。

こうした兆しを早期に察知するには、定期的な“対話の場”を持つことが非常に効果的です。


面談がもたらす3つの効果

① 不満や不安の“早期発見”

スタッフが抱えている不満や課題は、放置すれば辞める理由になります。
月1回でも定期的な面談を設けることで、小さな違和感や悩みを早期にキャッチし、フォローすることが可能になります。

② 「自分を見てもらえている」という安心感

現場で孤立しがちなスタッフにとって、話を聞いてくれる上司の存在は非常に大きな意味を持ちます。
「ちゃんと見てもらえている」「頼れる人がいる」という感覚が、精神的な支えになります。

③ キャリアの方向性を共有できる

将来の働き方や希望する業務内容についても、面談を通じて対話を重ねることができます。
スタッフ自身のモチベーションが高まり、長期的に働くイメージを持ちやすくなります。


面談を効果的に行うためのポイント

「評価」ではなく「対話」を目的にする
面談は上からの指導の場ではなく、話を“聞く”ことが基本。まずは本人の話に耳を傾ける姿勢が大切です。

プライバシーが守られる場を用意する
面談場所は、周囲の目が気にならない空間で。話しやすい雰囲気づくりも重要です。

●記録を残し、継続的にフォローする
一度きりで終わらせず、前回の内容を振り返りながら、継続的に支援できる体制を整えましょう。


まとめ

離職の多い職場に共通するのは、「スタッフの本音を知る機会がないこと」です。
定期的な面談を通じて、悩みや不満を早期に把握し、適切に対応していくことで、離職を防ぎ、人が定着する職場づくりが可能になります。

人材不足が続く今だからこそ、「話す」「聞く」場の価値を見直し、スタッフ一人ひとりと向き合う仕組みを整えていきましょう。